中古の420iクーペは、N20搭載の前期かB48搭載の後期かで維持リスクが大きく変わります。
僕はB48搭載の420iクーペ(2017年式・購入時5.6万km)のオーナーです。この記事では両エンジンの違いを比較表で整理し、N20の修理費実例、B48の所有実データ、実際の中古相場まで数字で示します。
結論はB48一択。その根拠を順番に解説します。
結論:420iを中古で買うならB48エンジン
先に結論です。中古でBMW 420iクーペを検討しているなら、エンジンはB48を選ぶのが最も合理的です。
理由は3つあります。
- N20には修理費100万円超の実例が複数報告されている
- B48は現行モデルにも使われ続けている現役エンジンである
- 前期と後期の価格差は50万〜80万円程度で、リスク差に見合わない
「安い前期でいいのでは?」と考えている方ほど、このまま読み進めてください。
【比較表】N20とB48の違いが30秒で分かる
迷ったらこの表だけ見れば十分です。
| 項目 | N20(前期) | B48(後期) |
|---|---|---|
| 製造時期 | 2011〜2016年頃 | 2015年頃〜現行 |
| 現行モデルでの採用 | 終了 | 継続中(GRスープラにも搭載) |
| 代表的な不具合報告 | タイミングチェーン、オイル漏れ | 重大トラブルの報告は少ない |
| 修理費の実例 | 約100万〜160万円(チェーン関連) | 突発的な高額修理の実例なし(筆者調べ) |
| 実走行の耐久性報告 | — | 海外で16万km走行ノートラブル報告あり |
| 搭載の上限グレード | 5シリーズ級まで | 7シリーズ(730i)にも搭載 |
| 中古相場(走行5〜10万km) | 約94万〜150万円 | 約160万〜220万円 |
※修理費は海外フォーラムの実例報告、相場はカーセンサー掲載データに基づく(いずれも筆者調べ)。
この差が生まれる理由を、ここから掘り下げます。
N20の弱点はタイミングチェーン|修理費の実例
N20エンジン(2011〜2016年頃製造)で最も報告が多いのが、タイミングチェーンと関連部品の不具合です。
海外のオーナーフォーラムで確認できる実例を挙げます。
- タイミングチェーン関連故障の修理費 約100万円
- 条件によっては約160万円前後
チェーンはエンジン中枢の部品。発症すると、車両価格に匹敵する修理費になり得ます。
前期420iの中古相場が安い理由の一つがここです。
オイル漏れも定番です。
- オイルフィルターハウジングガスケット:単体5万〜10万円前後
- バルブカバー・オイルパン同時修理:15万〜25万円程度
致命傷ではありません。ただしチェーンリスクと重なると、総額が読めなくなります。
B48の耐久性|中古で購入したB48エンジン車を2年所有した実データ
僕の420iクーペの条件です。
- 2017年1月登録/B48B20搭載
- 購入時走行距離:約5.6万km
- 所有期間:約2年
- エンジン関連トラブル:ゼロ
正直に書くと、この1年で唯一あった不調はバッテリー弱りによる警告灯です。ただしこれはエンジンとは無関係で、充電器で充電しただけで解決しました。バッテリー交換すら不要だった、というのが実際のところです。
5.6万kmは中古BMWだと敬遠されがちな距離です。それでも整備記録簿が揃った個体なら、問題なく乗れています。
B48は実際、何万kmまで走れるのか
気になったので、海外の実走データを調べました。
海外のオーナーフォーラムには、16万km走行で「今もノートラブル」という報告が複数あります。海外の専門メディアでは、内部部品は32万km以上持つ設計と評価され、整備次第で40万km到達の可能性にも言及されています。
根拠はN20から刷新されたクローズドデッキ構造のブロック。エンジンの心臓部が頑丈だから、距離が伸びても本体は壊れにくい設計です。
ただし無条件ではありません。24万kmを超えるとガスケット類のオイル滲みが出始めるほか、ウォーターポンプなどの周辺部品は交換前提。「エンジン本体は長寿命、周辺の消耗品はきちんと替える」がB48と長く付き合う条件です。
僕の5.6万km個体は、この寿命感覚で見ればまだ折り返し前。だからこそ中古でも安心して選べました。
とても気に入っていて、少なくとも後10年は乗り続けたいと思っています。
購入時に僕が確認したポイント
エンジン型式と同じくらい重視したのが整備記録簿です。
- 過去の修理内容
- オイル交換の頻度
- 点検時の指摘事項
この3点を確認しました。B48の素性が良くても、扱いが雑な個体では意味がありません。
記録簿は車の履歴を客観視できる、数少ない材料です。
維持費の実額|保険・タイヤ・燃費
1年所有して分かった、実額ベースの話です。
- 任意保険:車両保険なしの条件で、国産ミニバン(エスクァイア)と同水準
(年齢26歳、運転者:本人および配偶者 →年間14,270円) - タイヤ:ハンコック製でも問題なし。(国産プレミアムの半額前後:4本で約10万円)
- 実燃費:一般道中心で15.6km/L前後を安定して記録
「輸入車クーペ=維持費が怖い」というイメージに対して、B48なら想定外の出費が起きにくい。
これが2年所有してみた結論です。
前期と後期の中古相場|価格差は50万〜80万円
実際の相場も確認しました。カーセンサー掲載データ(2026年7月時点・筆者調べ)です。
前期N20搭載(2013〜2015年式・走行7〜10万km): 支払総額94万〜150万円が中心。低走行の上玉でも200万円弱です。
後期B48搭載(2017年式以降・同条件): おおむね160万〜220万円のゾーンです。
つまり同条件で比べると、価格差はおよそ50万〜80万円。
N20エンジン搭載車の方が安く購入できる車両が多いのが事実です。
ただしN20のチェーン修理実例は100万円超。発症すれば価格差は一発で消えます。
それでもN20を選ぶならの条件
前期の価格は確かに魅力です。あえて選ぶなら、次の3つが揃った個体に限ります。
- タイミングチェーン交換済みで、作業内容が記録簿に残っている
- オイル漏れ修理歴が明記されている、または現車で滲みがない
- B48搭載車との価格差が50万円以上ある
この3つが揃わないなら、価格差はリスク代として消えます。
販売店には「チェーン関連の整備歴はありますか」と聞いてください。
回答が曖昧な店は、その時点で候補外です。
年式でN20かB48かを見分ける方法
420iクーペ(F32)は、後期型(LCI)への切り替わりを境にB48へ移行しています。
- 2016年半ば以降の登録車 → B48の可能性が高い
- 2015年以前の登録車 → N20の可能性が高い
ただし登録時期と生産時期はズレることがあります。年式だけで判断せず、
車検証の型式・整備記録簿・販売店への確認で必ず裏を取ってください。
「エンジン型式はB48ですか」の一言で十分です。
よくある質問
Q. B48で走行距離は何万kmまで許容できますか?
A. 記録簿が揃っていれば、僕なら7万km台まで検討します。
実際に5.6万kmで買って1年ノートラブル。海外には16万km走行の報告もあるので、距離より整備履歴で判断してください。
Q. B48に弱点はありませんか?
A. 完璧ではありません。消耗品は国産車より高めで、周辺部品の予防交換も前提です。ただ突発的な高額修理の実例は、僕が調べた範囲では見つかっていません。「読める出費」しかないのがN20との決定的な差です。
Q. 420iのN20とB48は年式でどう見分けますか?
A. 後期型(LCI)への切り替わりが目安です。2016年半ば以降の登録車はB48の可能性が高いですが、必ず車検証の型式と現車で確認してください。
まとめ:420iで後悔しないために
最後にもう一度、結論です。
中古で420iクーペを買うなら、B48一択。
50万〜80万円の価格差は、100万円超の修理リスクを消すための保険料として十分に安い金額です。
B48搭載車を探すなら、年式2017年以降+整備記録簿ありで絞り込むのが近道です。
・車を探すならカーセンサ:https://www.carsensor.net/
また、一括査定サイトで今の車の査定額を先に把握しておくと、商談でも強気にいけます。
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